はじめに
スペイン語文法の第4章は「代名詞」です。
代名詞は、すでに分かっている人や物などの名詞の繰返しをさけるために使われて文を簡潔にする品詞です。
この章で、それぞれの代名詞について理解を深めたいと思います。
代名詞の基礎的な内容を「基礎編」にまとめました。
基礎編は下記の記事からなります。
→ 第4章:代名詞(基礎編) 代名詞の特徴
・ 第4章:代名詞(基礎編) 人称代名詞 (1)(本記事)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 人称代名詞 (2)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 人称代名詞 (3)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 不定代名詞(1)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 不定代名詞(2)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 不定代名詞(3)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 所有代名詞
→ 第4章:代名詞(基礎編) 指示代名詞
→ 第4章:代名詞(基礎編) 疑問代名詞
→ 第4章:代名詞(基礎編) 関係代名詞(1)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 関係代名詞(2)
→ 第4章:代名詞(基礎編) 関係代名詞(3)
本記事と併せて残りの記事も読むと、代名詞の内容が一通りカバーできます。
ぜひ他の記事も読んでください。
主語として使われる人称代名詞
主語として使われる人称代名詞は、下記の通りです。
話し手・聞き手・第三者、それぞれの単数と複数で代名詞が異なります。
| 単数 | 複数 | |||
|---|---|---|---|---|
| 1人称 (話し手) | yo | 私は | nosotros nosotras | 私たちは |
| 2人称 (聞き手) | tú | 君は | vosotros vosotras | 君たちは |
| 3人称 (第三者) | él ella usted | 彼は 彼女は あなたは | ellos ellas ustedes | 彼らは 彼女らは あなた方は |
1人称複数、2人称複数の「nosotros/nosotras」「vosotros/vosotras」には性の区別があります。
また、3人称の代名詞は、単数形に複数語尾(s/es等)がついて複数形となります。
複数形では、
– 男性のみのグループは、男性形(nosotros/vosotros/ellos)
– 女性のみのグループは、女性形(nosotras/vosotras/ellas)
– 男性女性混在のグループは、男性形(nosotros/vosotros/ellos)
を使います。
「usted/ustedes」は意味上は2人称ですが、文法上は3人称の扱いとなります。
「tú/vosotros/vosotras」が「家族・友人」などの親しい人に使われるのに対して
「usted/ustedes」は、「初対面の人・年上の人」などに対して、丁寧さのニュアンスで使われます。
「usted」は「Vd.」「Ud.」、「ustedes」は「Vds.」「Uds.」と短縮されて表記されることがあります。
主語の人称代名詞は、基本は省略される
一般的には主語の人称代名詞は省略されます。
スペイン語では、動詞の活用で、主語が何かが分かるからです。
[例]
Yo veo el fútbol. 私はサッカーの試合を見ます。
→ Veo el fútbol.
「ver(見る)」の活用から、主語が「私」であることが明確なため、重複を避けるために「Yo」を省略します。
例外として、「usted(あなた)」「ustedes(あなたたち」は省略されないケースが多いです。
理由としては、下記があげられます。
(1) 「usted/ustedes」は、丁寧な言い方のため、相手への敬意を示すために主語を省略しない。
(2) 「usted/ustedes」は「él(彼)/ella(彼女)/ellos/ellas」と同じ3人称なので、主語を明確にする必要がある。
人称代名詞が使われるケース
1.主語を強調したいとき
主語を強調したいときに、人称代名詞が使われます。
[例]
Yo no me meto. 私は関わらないよ。
Yo lo sé. 私は知ってるよ。
「他の人と違って、私は」という強調がされています。
2.動詞の活用では、主語を明確にできないとき
一部の動詞では、異なる人称で、同じ形の動詞が使われる場合があります。
この場合、主語を使って明確にする必要があります。
[例]
Él estaba en la escuela en ese momento, pero yo estaba en casa.
そのとき彼は学校にいたが、私は家にいた。
「私」と「彼」に対する動詞は、どちらも「estaba」です。
そのため、「él」と「yo」をつけて、主語を明確にする必要があります。
3.複数の主語で対比をしたいとき
複数の主語を示して、主語ごとの対比を明確にしたいときにも使われます。
[例]
Yo no, tú sí. 私はしないけど、君はする。
Si no lo sabes tu, te lo digo yo. 君が知らないなら私が教えてあげよう。
最後に
いかがでしたか?
記事中で説明しましたが、「あなた」を表す「usted」の短縮形として、「Vd.」という形がありました。
なぜ、「V」がでてくるのでしょう?
実はこれには歴史的な背景があります。
中世のスペイン語で、丁寧な「あなた」を「vuestra merced(あなたのご慈悲)」と表現していました。
「vuestra merced」→「vuesarced」→「vuested」→「usted」
と短くなりました。
この頭文字の「v」と語尾の「d」が組み合わさって、「Vd.」という略ができたのでした。
Bueno, nos dejamos aquí.
¡Hasta luego!
参考文献
文法編をまとめるにあたり、次の書籍を参考にしています。
『スペイン語基礎文法 規則と用法(SGEL)』
『本気で学ぶスペイン語 基本問題430(菅原 昭江)』
『極める!スペイン語の接続法ドリル(菅原 昭江)』


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