はじめに
今回の内容は、初級・中級に引き続き「平面図形の特徴と種類」について解説します。特にこの記事では、多角形やここまで紹介してこなかった細かい話題を解説します。
また、まだ初級・中級の記事を読んでいない方は下のリンクから事前に読んでおくことをおすすめします。
→ 平面図形の特徴と種類(初級)
→ 平面図形の特徴と種類(中級)
(所要時間:5~10分)
単語・表現の一覧
単語・表現 | 意味 |
---|---|
polygon | 多角形 |
n-gon, n-lateral | n個の辺を持つ多角形、n-角形、n-辺形 |
convex polygon | 凸多角形 |
concave polygon, non-convex polygon | 凹多角形 |
regular polygon | 正多角形 |
regular n-gon (もしくは n-lateral) | 正n-角形(もしくは 正n-辺形) |
equilateral triangle | 正三角形 |
square | 正方形 |
単語の解説
多角形
多角形とは「3つ以上の線分で囲まれた平面図形の全体」のことを言います。
これを英語では「polygon」と言います。
語源
ギリシャ語の「polys(多くの)」と「gon(角)」で構成された単語です。
また、一般的に「n個の辺を持つ多角形」を「n-gon(n-角形)」もしくは「n-lateral(n-辺形)」と言います。
中級の記事で紹介した四角形の「tetragon」と「quadrilateral」もここから来ています。
ただ、三角形と四角形を「triangle」と「quadrilateral」と呼ぶ以外は「n-gon」とするのが一般的です。
以下は、その表です。
n-角形 | 英語 |
---|---|
三角形 | triangle もしくは trigon |
四角形 | quadrilateral もしくは tetragon |
五角形 | pentagon |
六角形 | hexagon |
七角形 | heptagon もしくは septagon |
八角形 | octagon |
九角形 | nonagon もしくは enneagon |
十角形 | decagon |
多角形の種類
多角形の種類・分類にはいろいろなものがありますが、今後の数学の勉強で覚えておくと役立つものを3つ紹介します。
凸多角形
すべての内角が180°以下であるような多角形を言います。
英語では、「convex polygon」と言います。

凹多角形
180°より大きく360°より小さい内角を少なくとも一つは持つ多角形のことを言います。
英語では「concave polygon」または「non-convex polygon」と言います。

「convex」と「concave」の意味
「convex」と「concave」はそのままそれぞれ「凸」と「凹」という意味です。
「concave」と「cave(洞穴、洞窟)」の語源は同じことから、「concave」が「凹」であると想像できるかもしれません。
また、「convex」と「concave」は他の場面でも出てきます。
例えば、中学の理科で習う「凸レンズ」と「凹レンズ」は「convex lens」と「concave lens」と言います。
また、高校数学で習う関数の「上に凸」という表現は「concave down」などと呼ばれます。
正多角形
正多角形は「すべての辺の長さと内角の大きさが等しい多角形」のことです。
英語では「regular polygon」と言います。
上の多角形の表を利用すると、正五角形は「regular pentagon」、正六角形は「regular hexagon」などとなります。
例外として、正三角形は「equilateral triangle」、正四角形(正方形)は「square」とするのが一般的です。
中級で解説しなかったその他の四角形の種類
中級では紹介しなかった四角形には次のようなものがあります。
- 凧型:「となり合った2辺の長さが等しい組が2組存在するような四角形」
- 直角台形:「4つの内角の内で2つは直角であるような台形」
- 等脚台形:「台形の脚の長さが互いに等しいような台形」
種類 | 英語 |
---|---|
凧型 | kite |
直角台形 | right-angled trapezoid (アメリカ英語) もしくは right-angled trapezium (イギリス英語) |
等脚台形 | isosceles trapezoid (アメリカ英語) もしくは isosceles trapezium (イギリス英語) |
「kite」はそのまま「凧」のことです。

「trapezium」と「trapezoid」の違い
アメリカ英語とイギリス英語では「trapezoid」と「trapezium」という単語を逆の意味で使っています。
まずは次の表をみてください。
図形 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
---|---|---|
台形 | trapezoid | trapezium |
平行な辺のない四角形 | trapezium | trapezoid もしくは irregular quadrilateral |
このようにアメリカ英語とイギリス英語では真逆の意味で2つの単語が使われています。
「英語圏での容積・容量の表し方について」の単位の歴史年表を見ると、2つの単語が逆の意味で使われるようになった原因はアメリカの独立だと考えられます。
「Oxford English Dictionary」によると、独立後の1975年に出版された「Hutton’s Mathematical Dictionary」がアメリカで広まり、今のような違いが生まれたと考えられています。
「irregular quadrilateral」という単語は現在イギリス英語で「trapezoid」の代わりに使われるケースもあるようです。
しかし、「irregular quadrilateral」を「regular quadrilateral (square) でないすべての四角形」とする定義もあります。
この場合、台形や平行四辺形も含まれるため、定義が異なります。

現在では「trapezoid」と「trapezium」は人や場所によってごちゃごちゃに使われています。しかし、ほとんどの場合はどのような図形の話をしているのかが会話や文章の中ですぐに分かるので気にする必要はありません。
記事のまとめ
単語・表現 | 意味 |
---|---|
polygon | 多角形 |
n-gon, n-lateral | n個の辺を持つ多角形、n-角形、n-辺形 |
convex polygon | 凸多角形 |
concave polygon, non-convex polygon | 凹多角形 |
regular polygon | 正多角形 |
regular n-gon (もしくは n-lateral) | 正n-角形(もしくは 正n-辺形) |
equilateral triangle | 正三角形 |
square | 正方形 |
最後に
いかがでしたか?
今回の内容の中には、小学校では触れられないような言葉も含まれていたと思います。それらについては無理に覚える必要はありません。ただ、ここでの内容に少しでも興味を持っていただけると、これからの数学と英語の勉強がより楽しくなると思います。
これで第11章は終わりです。次の第12章では、立体図形について解説をしていきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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