第4章:代名詞(基礎編) 人称代名詞 (2)

文法(スペイン語)

はじめに

目的語代名詞のタイプ

人称代名詞の2つ目の使い方として、動詞の目的語として使われる「目的語代名詞」を取り上げます。

目的語には
直接目的語:動作の対象(「何を」「誰を」)を表す
間接目的語:動作の受け手、到達点(「誰に」)を表す
の2つのタイプがあります

[例]
¿Viste el partido del Arsenal? アーセナルの試合を見た?
Sí, lo vi. うん、見たよ。

「lo」 は、男性単数の名詞「el partido(試合)」を置き換えています。
動詞「ver(見る)」の「何を」に答える対象なので、直接目的語「lo」が使われています。


¿A quién le diste las entradas del Arsenal? アーセナルのチケットを誰にあげたの?
Se las di a él. 彼にあげました。

las entradas(チケット)」は、動詞「dar(与える)」の「何を」を表す対象なので直接目的語「las」が使われます。
また、「誰に→彼に」を表す間接目的語「se」も使われています。

目的語代名詞の変化

直接目的語代名詞の変化は以下の通りです。

 男性・単数女性・単数男性・複数女性・複数
1人称menos
2人称teos
3人称lolaloslas

間接目的語代名詞の変化は以下の通りです。

 男性・単数女性・単数男性・複数女性・複数
1人称menos
2人称teos
3人称leles
se

目的語代名詞の位置

目的語代名詞の文中の位置は、
(1)動詞の直前
(2)動詞の直後(動詞について、一語となる)
のどちらかになります。



(1)目的語代名詞は、一般的には、動詞の直前にきます。

[例]
La victoria del Arsenal me produjo alegría. アーセナルの勝利は私に喜びをもたらした。

間接目的語代名詞「me(私に)」が、動詞「produjo(producir(生み出す)の3人称単数の点過去形)」の前にきます。


(2)次の3つのケースで、目的語代名詞が動詞の直後に置かれます。

① 目的語代名詞が、動詞の不定詞につく場合

[例]
Quiero verte. 君に会いたい。

直接目的語代名詞「te(君を)」が、動詞「ver(見る)」の後ろにつきます。


② 目的語代名詞が、現在分詞に付く場合

[例]
Él está esperándote. 彼はあなたを待っている。

直接目的語代名詞「te(君を)」が、動詞「esperar(待つ)」の現在分詞の後ろにつき、1語になります。


③ 目的語代名詞が、肯定の命令形と付く場合

[例]
Dale. 彼にそれをあげなさい。

間接目的語代名詞「le(彼に)」が、動詞「da(dar(与える)の肯定の命令形」の後にきて、動詞につき、1語になります。

直接目的語代名詞と間接目的語代名詞が同時に使われる場合

直接目的語代名詞と間接目的語代名詞は、同時に使うことが可能です。
「彼に」「それを」あげた、などのケースです。

注意点が2点あります。

(1) 「間接目的語代名詞」+「直接目的語代名詞」の順になる。

[例]
Te lo digo yo. 私が君にそれを教えてあげるよ。

間接目的語「te(君に)」のあとに、直接目的語「lo(それを)」がきます。


(2) 「間接目的語代名詞」と「直接目的語代名詞」ともに3人称の場合、間接目的語代名詞が「se」になる。

[例]
Se las di a él. 彼にそれらをあげました。

直接目的語代名詞「las」の前の、間接目的語代名詞(彼に)が「le」→「se」となります。
これは「ラ行」の「レ」と「ラス」が連続すると発音しずらい、という理由によります。

最後に

いかがでしたか?

「Quiero verte.」という例文を使いましたが、文法上は「Te quiero ver.」という形も可能です。
ただ、ドラマなどをみていると、「Quiero verte.」の方がよく使われいます。

これは、「より自然なリズムである」「音として滑らか」などの理由によります。

確かに「テ・キエロ・ベール」より、「キエロ・ベールテ」の方が話しやすいですね。
そのため、ネイティブな話者も「後置形のQuiero verte」をよく使います。

間接目的語が直接目的語の前にくる理由の1つが、やはり「発音のしやすさ」なのです。

「te lo digo」と「lo te digo」を比べると、「ロテディゴ」より「テロディゴ」の方が発音しやすく感じますよね。

「テ」が口の形で前方で作るのに対して、「ロ」が口の形で後方で作ります。
口の形は、「後ろから前に動く」のに対して、「前から後ろに動く」方がスムーズに行えます。

間接目的語代名詞の「le/les」が「se」になるのも、やはり「発音のしやすさ」が理由になっていました。

スペイン語が発音のしやすさを非常に重視しているのがわかりますね。


Bueno, nos dejamos aquí.
¡Hasta luego!

参考文献

文法編をまとめるにあたり、次の書籍を参考にしています。
『スペイン語基礎文法 規則と用法(SGEL)』
『本気で学ぶスペイン語 基本問題430(菅原 昭江)』
『極める!スペイン語の接続法ドリル(菅原 昭江)』

文法(スペイン語)
Toru
この記事を書いた人

スペイン語の学習歴は20年以上。
スペイン語検定3級(英検準1級相当)を取得しています。
毎日スペイン語でニュースを聞きながら学びを続け、語学力向上のために日々努力しています。

これまでに45ヵ国を訪問し、国際的な経験を積んできました。
スペイン語と英語の通訳ボランティアを行い、現在はアルゼンチン人の同僚と共に働きながら、日本にいながらも日常的にスペイン語で会話しています。
このサイトを通して、自分が行っている勉強法や実践的なスペイン語の使い方を共有していきたいと考えています。

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