第4章:数字についての基礎的な英語表現(中級)

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はじめに

単語の解説

10,000以上の数

初級の記事では「thousand」で 9999 まで言う方法を紹介しました。
ここからは、10,000 以降の数の表現を紹介します。
まずは、下の表を見てください。

英語日本語
1 = 100one
10 = 101ten
100 = 102hundred
1,000 = 103thousand
1,000,000 = 106million100万
1,000,000,000 = 109billion10億
1,000,000,000,000 = 1012trillion1兆
1,000,000,000,000,000 = 1015quadrillion1000兆
*103 などの表記は、中学1年で習う「累乗(るいじょう)」という概念です。
この場合の「103」とは、「10 を3回掛け合わせたものの積 = 10×10×10 = 1000」という意味になります。

あまり意識したことがないかもしれませんが、日本語の場合では、「万」をスタートにして、「億」、「兆」という風に、「4桁ずつ」で新しい単位を使います。
それに対して英語では、「千(thousand)」をスタートにして「3桁ずつ」で新しい単位を導入していきます。

この規則性を使う英語圏では、上の表にもある通り、0を三つごとに「,(カンマ)」を打つのが一般的です。

「thousand」と「million」の間の数などの表し方は、日本語の「25万」などと同じで以下のように表現されます:

例文
  • Two hundred thousand and twenty-four. (200,024)
  • Sixty-five million, three hundred and two thousand, four hundred. (65,302,400)

また、ここまで英語を勉強してきた皆さんなら、「million」以降の単位の語尾が「-illion」になっていることに気づいたかもしれません。
そして、これらの語頭は、「第1章:加減乗除の英語表現(中級)」で扱ったものと類似しており以下のような規則性があります:

単語意味
million106 = 100万
billion109 = 10億
trillion1012 = 1兆
quadrillion1015 = 1000兆
quintillion1018 = 100京
sextillion1021 = 10がい
septillion1024 = 1じょ

「bi-」は「2」、「tri-」は「3」、「quadri-」は「4」といったように、それぞれの単語は関連しています。

「million」という単語の語源自体は定かではないですが、「非常に大きな数」という意味で使われていました。
その後「million」よりさらに大きい数を考える過程で、「million million(今日の trillion)」という意味で「bi(2個の)-llion」という単語がイギリス・ドイツで使われ始めました。
しかしこれはフランスに渡り、現在の意味での「thousand million」に変わりました。

このように、一見規則的なように見えますが、歴史の過程でその意味が国ごとに大きく変化しています。
これらについてより詳しくまとめた以下の記事も参考にしてください:

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大きな数の略記について

数学の中で使われる表現というわけではないですが、日常生活の中で桁の大きな数を表現するために使われる略記を紹介します。

まず金融機関やニュースなどのメディア業界では、「m, M」や「b, B」、「t, T」が使われます。
これらは、それぞれ「million」、「billion」、「trillion」の頭文字です。
小文字が使われる場合もあれば、大文字を使う場合もあります。
これらは、主に通貨や人口などの規模が大きいものに対して使用されます。

例文
  • The president unveiled $3.8T budget proposal. (大統領は 3.8 兆ドルの予算案を公開した)

また、日常会話で使うような「100M」や「30K」という表現があります。
これは、100万を意味する「mega」と、1000を意味する「kilo」の頭文字をとったものです。
「100メガバイト」や「1キロメートル」というように、基本単位(グラム・メートルなど)の前に使われるのが一般的ですが、これらの場合は単位は入れず単体で「100M = ハンドレッドエム」と「30K = サーティーケイ」として使います。

例文
  • We simply call the Year 2000 problem as Y2K problem. (私たちは 2000 年問題を Y2K 問題と略して呼ぶ)

「kilo」と「mega」の次は、10億を意味する「giga」ですが、これを使って「1G」などとするのは間違いです。
これは、英語のスラングで1000を意味する「grand」の Gとなってしまいます。

西暦の読み方

西暦の表し方は、数学と大きく関係しているわけではありません。
しかし、初級で習った表現の応用という形で覚えて損はないと思いますので、ここで軽く紹介します。

0~99年までの表記

ここは初級で紹介したままです。
西暦15年は「fifteen」、西暦98年は「ninety-eight」というように言えます。

100~999年までの表記

この場合の表現の仕方は2種類あります。

1.「hundred (and)」を使って読む

例えば、西暦156年を「one hundred (and) fifty-six」とそのまま読む方法です。

2.「hundred (and)」を省略して読む

この場合は、西暦156年を「one fifty-six」と省略して読みます。
初級では紹介しませんでしたが、これは西暦の場合にのみ使われる読み方というわけではなく、3桁の数字を読むときに一般的に使われます。

2番のケースの注意点

西暦506年のように「10の位が0」のとき、0を「oh(アルファベットのOの発音)」として読みます。
この場合では、「five oh-six」となります。
「five six」とすると、506にならないのは分かりますね。

1000~1999年までの表記

この場合の表記の仕方は4種類に分けられます。

1.1000~1099年までの表記

初級で紹介した最も基本的な読み方のままです。
西暦1000年は「one thousand」、西暦1008年は「one thousand (and) eight」、西暦1065年は「one thousand (and) sixty-five」というように読みます。

2.下2桁が0の場合(*西暦1400年など)

初級で習った通り、「hundred」を使います。
例えば、西暦1500年は「fifteen hundred」となります。

3.10の位が0の場合

このケースは、「西暦1005年」などと「西暦1306年」などのように2パターンがありますが、どちらも10の位を「oh」と読みます。
前者は「one thousand oh-five」、後者は「thirteen oh six」となります。

西暦1005年を「one thousand and five」ということもできますが、「oh」を使うのがより一般的です。

4.4桁すべてが0でない場合

このときは、「hundred (and)」を使った形を使いますが、「hundred (and)」を省略して言います。
そのため西暦1965年などは、「nineteen hundred (and) sixty-five」ではなく「nineteen sixty-five」となります。
なので、上2桁と下2桁を分けて読むようになります。

2000年以降の表記

1.2000~2009年まで

2000年は単に「two thousand」でいいですが、2001~2009年には二種類の読み方があります。
西暦2007年を例にあげると、一つ目は「two thousand (and) seven」、二つ目は「twenty oh-seven」という読み方です。

西暦1007年では、「ten oh-seven」とは言えません。
また、西暦2007年を西暦1007年のように「two thousand oh-seven」ということもありません。
そこが、1000年代と2000年代の違いです。

2.2010年以降

このケースも2種類の読み方があります。
西暦2024年を例にあげると、一つ目は「two thousand (and) twenty-four」(そのままの読み方)、二つ目は「twenty twenty-four」(hundred (and)を省略した読み方)です。

2100年以降を使用することはほとんどないですが、使用する場合は1000~1999年と同じ表現の仕方になります。

ゆーた
ゆーた

独特な英語での西暦の読み方は、決まったルールというよりも「言いやすさ」を重視して今の形になっています。
今は難しく感じるかもしれませんが、英語に慣れてくると自然とこのルールに沿った言い回しが楽に感じてくると思います。

序数について

最後に、英語での序数を紹介します。
序数とは、物の順序を表す「1番、2番、3番」や「第一、第二、第三」などのことです。
まずは頻繁に使う序数の一覧を見てください。

序数略記序数略記
1first1st16sixteenth16th
2second2nd17seventeenth17th
3third3rd18eighteenth18th
4fourth4th19nineteenth19th
5fifth5th20twentieth20th
6sixth6th30thirtieth30th
7seventh7th40fortieth40th
8eighth8th50fiftieth50th
9ninth9th60sixtieth60th
10tenth10th70seventieth70th
11eleventh11th80eightieth80th
12twelfth12th90ninetieth90th
13thirteenth13th100hundredth100th
14fourteenth14th1,000thousandth1000th
15fifteenth15thmillionmillionth1,000,000th

英語の序数は、基本的に数語尾に「-th」を付け足すことで表されます(略記についても同様)。
上で、不規則な形をするものにはハイライトを付けました。

  • 「first, second, third」は特別で、略記の語尾もそれぞれの単語の最後の2文字になっています
  • 「fifth, eighth, ninth, twelfth」は書きづらさや言いづらさの問題から上のように変えられています
  • 20以降の10の倍数の序数も、「ty」を「tie」に変えることで発音が変わり、楽に言えるようになっています

また、「21番目」や「45番目」などを表したいときには、「twenty-first」や「fourty-fifth」などと「hyphenで結んだ最後の単語のみを序数にした形」で言えます。
単語が2個以上続く場合には、間に必ず「- (hyphen)」を打ちます。

序数は、数学で非常によく使われます。それらの例をいくつかのせておきます:

  • Adding the first term to the second term. (第一項を第二項に足す)
  • The hundredths decimal place (小数点第2位)
  • One third (3分の1)

以上で解説は終わりです。

練習問題

QUESTION 1

Write the following numbers in words.

  1. 1,600,000
  2. 71,580,001
  3. 4,205,043
解答

A. one million, six hundred thousand (or one-point-six million)
B. seventy-one million, five hundred (and) eighty thousand and one
C. four million, two hundred (and) five thousand and forty-three

問題の和訳:以下の数字を言葉に変えなさい

一つ目のように、小数点を使い省略して大きな数を表すこともよくあります。
日本語でも、「5.5億円の損失が出た」などのように小数点を使うことがありますよね。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の記事は少し内容量が多くなってしまい、全部を一度に理解するのは非常に難しいかもしれません。しかし、頻繁に使用したり耳にしたりすると、ちょっとずつネイティブの言い回しが自然に感じてくると思います。

この第4章「数字についての基礎的な英語表現」は上級がなく、ここで終わりです。第5章の記事もぜひ読んでみてください。

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