はじめに
この記事では、前回の初級に続き「数字についての基礎的な英語表現」を解説します。特に今回は、10,000以上の数の表し方や大きな数の略記、西暦の表し方、序数についてなど多くの内容を扱います。
今回は、単語を覚えるだけでなく、たくさんの英語のルールや言い回しを紹介します。一度にすべてを覚えることは難しいと思いますが、まずは一通り読んで全体像をつかんでもらいたいです。
まだ、初級の記事を読んでいない方は、下のリンクから先に読むことをお勧めします。
→ 数字についての基礎的な英語表現(初級)
(所要時間:~15分)
単語の解説
10,000以上の数
初級の記事では「thousand」で 9999 まで言う方法を紹介しました。
ここからは、10,000 以降の数の表現を紹介します。
まずは、下の表を見てください。
数 | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
1 = 100 | one | 一 |
10 = 101 | ten | 十 |
100 = 102 | hundred | 百 |
1,000 = 103 | thousand | 千 |
1,000,000 = 106 | million | 100万 |
1,000,000,000 = 109 | billion | 10億 |
1,000,000,000,000 = 1012 | trillion | 1兆 |
1,000,000,000,000,000 = 1015 | quadrillion | 1000兆 |
この場合の「103」とは、「10 を3回掛け合わせたものの積 = 10×10×10 = 1000」という意味になります。
あまり意識したことがないかもしれませんが、日本語の場合では、「万」をスタートにして、「億」、「兆」という風に、「4桁ずつ」で新しい単位を使います。
それに対して英語では、「千(thousand)」をスタートにして「3桁ずつ」で新しい単位を導入していきます。
この規則性を使う英語圏では、上の表にもある通り、0を三つごとに「,(カンマ)」を打つのが一般的です。
「thousand」と「million」の間の数などの表し方は、日本語の「25万」などと同じで以下のように表現されます:
また、ここまで英語を勉強してきた皆さんなら、「million」以降の単位の語尾が「-illion」になっていることに気づいたかもしれません。
そして、これらの語頭は、「第1章:加減乗除の英語表現(中級)」で扱ったものと類似しており以下のような規則性があります:
単語 | 意味 |
---|---|
million | 106 = 100万 |
billion | 109 = 10億 |
trillion | 1012 = 1兆 |
quadrillion | 1015 = 1000兆 |
quintillion | 1018 = 100京 |
sextillion | 1021 = 10垓 |
septillion | 1024 = 1秭 |
「bi-」は「2」、「tri-」は「3」、「quadri-」は「4」といったように、それぞれの単語は関連しています。
「million」という単語の語源自体は定かではないですが、「非常に大きな数」という意味で使われていました。
その後「million」よりさらに大きい数を考える過程で、「million million(今日の trillion)」という意味で「bi(2個の)-llion」という単語がイギリス・ドイツで使われ始めました。
しかしこれはフランスに渡り、現在の意味での「thousand million」に変わりました。
このように、一見規則的なように見えますが、歴史の過程でその意味が国ごとに大きく変化しています。
これらについてより詳しくまとめた以下の記事も参考にしてください:
→ 記事は現在作成中です
大きな数の略記について
数学の中で使われる表現というわけではないですが、日常生活の中で桁の大きな数を表現するために使われる略記を紹介します。
まず金融機関やニュースなどのメディア業界では、「m, M」や「b, B」、「t, T」が使われます。
これらは、それぞれ「million」、「billion」、「trillion」の頭文字です。
小文字が使われる場合もあれば、大文字を使う場合もあります。
これらは、主に通貨や人口などの規模が大きいものに対して使用されます。
また、日常会話で使うような「100M」や「30K」という表現があります。
これは、100万を意味する「mega」と、1000を意味する「kilo」の頭文字をとったものです。
「100メガバイト」や「1キロメートル」というように、基本単位(グラム・メートルなど)の前に使われるのが一般的ですが、これらの場合は単位は入れず単体で「100M = ハンドレッドエム」と「30K = サーティーケイ」として使います。
「kilo」と「mega」の次は、10億を意味する「giga」ですが、これを使って「1G」などとするのは間違いです。
これは、英語のスラングで1000を意味する「grand」の Gとなってしまいます。
西暦の読み方
西暦の表し方は、数学と大きく関係しているわけではありません。
しかし、初級で習った表現の応用という形で覚えて損はないと思いますので、ここで軽く紹介します。
0~99年までの表記
ここは初級で紹介したままです。
西暦15年は「fifteen」、西暦98年は「ninety-eight」というように言えます。
100~999年までの表記
この場合の表現の仕方は2種類あります。
1.「hundred (and)」を使って読む
例えば、西暦156年を「one hundred (and) fifty-six」とそのまま読む方法です。
2.「hundred (and)」を省略して読む
この場合は、西暦156年を「one fifty-six」と省略して読みます。
初級では紹介しませんでしたが、これは西暦の場合にのみ使われる読み方というわけではなく、3桁の数字を読むときに一般的に使われます。
1000~1999年までの表記
この場合の表記の仕方は4種類に分けられます。
1.1000~1099年までの表記
初級で紹介した最も基本的な読み方のままです。
西暦1000年は「one thousand」、西暦1008年は「one thousand (and) eight」、西暦1065年は「one thousand (and) sixty-five」というように読みます。
2.下2桁が0の場合(*西暦1400年など)
初級で習った通り、「hundred」を使います。
例えば、西暦1500年は「fifteen hundred」となります。
3.10の位が0の場合
このケースは、「西暦1005年」などと「西暦1306年」などのように2パターンがありますが、どちらも10の位を「oh」と読みます。
前者は「one thousand oh-five」、後者は「thirteen oh six」となります。
西暦1005年を「one thousand and five」ということもできますが、「oh」を使うのがより一般的です。
4.4桁すべてが0でない場合
このときは、「hundred (and)」を使った形を使いますが、「hundred (and)」を省略して言います。
そのため西暦1965年などは、「nineteen hundred (and) sixty-five」ではなく「nineteen sixty-five」となります。
なので、上2桁と下2桁を分けて読むようになります。
2000年以降の表記
1.2000~2009年まで
2000年は単に「two thousand」でいいですが、2001~2009年には二種類の読み方があります。
西暦2007年を例にあげると、一つ目は「two thousand (and) seven」、二つ目は「twenty oh-seven」という読み方です。
西暦1007年では、「ten oh-seven」とは言えません。
また、西暦2007年を西暦1007年のように「two thousand oh-seven」ということもありません。
そこが、1000年代と2000年代の違いです。
2.2010年以降
このケースも2種類の読み方があります。
西暦2024年を例にあげると、一つ目は「two thousand (and) twenty-four」(そのままの読み方)、二つ目は「twenty twenty-four」(hundred (and)を省略した読み方)です。
2100年以降を使用することはほとんどないですが、使用する場合は1000~1999年と同じ表現の仕方になります。
独特な英語での西暦の読み方は、決まったルールというよりも「言いやすさ」を重視して今の形になっています。
今は難しく感じるかもしれませんが、英語に慣れてくると自然とこのルールに沿った言い回しが楽に感じてくると思います。
序数について
最後に、英語での序数を紹介します。
序数とは、物の順序を表す「1番、2番、3番」や「第一、第二、第三」などのことです。
まずは頻繁に使う序数の一覧を見てください。
数 | 序数 | 略記 | 数 | 序数 | 略記 |
---|---|---|---|---|---|
1 | first | 1st | 16 | sixteenth | 16th |
2 | second | 2nd | 17 | seventeenth | 17th |
3 | third | 3rd | 18 | eighteenth | 18th |
4 | fourth | 4th | 19 | nineteenth | 19th |
5 | fifth | 5th | 20 | twentieth | 20th |
6 | sixth | 6th | 30 | thirtieth | 30th |
7 | seventh | 7th | 40 | fortieth | 40th |
8 | eighth | 8th | 50 | fiftieth | 50th |
9 | ninth | 9th | 60 | sixtieth | 60th |
10 | tenth | 10th | 70 | seventieth | 70th |
11 | eleventh | 11th | 80 | eightieth | 80th |
12 | twelfth | 12th | 90 | ninetieth | 90th |
13 | thirteenth | 13th | 100 | hundredth | 100th |
14 | fourteenth | 14th | 1,000 | thousandth | 1000th |
15 | fifteenth | 15th | million | millionth | 1,000,000th |
英語の序数は、基本的に数語尾に「-th」を付け足すことで表されます(略記についても同様)。
上で、不規則な形をするものにはハイライトを付けました。
- 「first, second, third」は特別で、略記の語尾もそれぞれの単語の最後の2文字になっています
- 「fifth, eighth, ninth, twelfth」は書きづらさや言いづらさの問題から上のように変えられています
- 20以降の10の倍数の序数も、「ty」を「tie」に変えることで発音が変わり、楽に言えるようになっています
また、「21番目」や「45番目」などを表したいときには、「twenty-first」や「fourty-fifth」などと「hyphenで結んだ最後の単語のみを序数にした形」で言えます。
単語が2個以上続く場合には、間に必ず「- (hyphen)」を打ちます。
序数は、数学で非常によく使われます。それらの例をいくつかのせておきます:
- Adding the first term to the second term. (第一項を第二項に足す)
- The hundredths decimal place (小数点第2位)
- One third (3分の1)
以上で解説は終わりです。
練習問題
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の記事は少し内容量が多くなってしまい、全部を一度に理解するのは非常に難しいかもしれません。しかし、頻繁に使用したり耳にしたりすると、ちょっとずつネイティブの言い回しが自然に感じてくると思います。
この第4章「数字についての基礎的な英語表現」は上級がなく、ここで終わりです。第5章の記事もぜひ読んでみてください。
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