はじめに
スペイン語文法の2つ目の章は「限定詞」、今回は「指示限定詞」です。
指示限定詞は、日本語の「この」「その」「あの」です。
「話し手と聞き手に対して、対象の名詞がどこにあるか」を示して限定します。
繰り返しになりますが、「限定詞」は
– 名詞と組合せて使われる。
– 名詞を具体的に示す。
– 人と物のどちらにも使える。
という特徴がある単語です。
これらの限定詞について押さえておきたい内容を「基礎編」にまとめました。
基礎編は下記の記事からなります。
→ 第2章:限定詞(基礎編)限定詞とは
→ 第2章:限定詞(基礎編)定冠詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定冠詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(1)
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(2)
→ 第2章:限定詞(基礎編)所有限定詞
・第2章:限定詞(基礎編)指示限定詞(本記事)
→ 第2章:限定詞(基礎編)基数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)序数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)配分限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)疑問限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)感嘆限定詞
本記事と併せて残りの記事も読むと、限定詞の内容が一通りカバーできます。
ぜひ他の記事も読んでください。
指示限定詞の種類と変化
指示限定詞は、後ろにくる名詞の性と数で、以下のように変化します。
位置 | 後ろにくる名詞 | 男性形 | 女性形 |
---|---|---|---|
話し手に近い (この) | 単数 | este | esta |
複数 | estos | estas | |
聞き手に近い (その) | 単数 | ese | esa |
複数 | esos | esas | |
話し手・聞き手から遠い (あの) | 単数 | aquel | aquella |
複数 | aquellos | aquellas |
指示限定詞には、対象の名詞の空間的な位置により3つの種類があります。
・話し手の近くにある場合 「este/esta/estos/estas」
・聞き手の近くにある場合 「ese/esa/esos/esas」
・話し手と聞き手のどちらからも遠くにある場合 「aquel/aquella/aquellos/aquellas」
[例]
Este perro es mío y aquel gato es tuyo.
この犬は私ので、あの猫は君のだね。
perro(犬)とgato(猫)が男性形の単数なので、「este」と「aquel」が使われています。
指示限定詞は、時間的な位置にも使うことができます。
日本語の「あの時代」や「そのとき」と同じ使い方です。
・現在 「este/esta/estos/estas」
・過去 「ese/esa/esos/esas」、「aquel/aquella/aquellos/aquellas」
[例]
Aquella época fue ocupada.
あの時代は忙しかった。
época(時代)が女性形の単数であるので、「aquella」が使われています。
指示限定詞の語順
名詞や形容詞との語順
指示限定詞は、冠詞と同じで、常に名詞や形容詞の前にきます。
[指示限定詞] + [形容詞] + [名詞]
[例]
este hermoso país
この美しい(hermoso)国
国(país)が、男性形の単数なので、esteが使われています。
不定限定詞「todo(と変化形)」との語順
単数形で「全体の」を表す「todo」、複数形で「全ての」を表す「todos」との語順は次のようになります。
[todo/toda/todos/todas] + [指示限定詞] + [名詞]
[例]
Toda esta noche estuvo fría.
今夜はずっと寒かった。
noche(夜)が、単数形の女性名詞なので、「toda(全体の)」「esta(今日の)」が使われています。
数詞との語順
具体的な数字(数詞)や不明確な数量を表す不定限定詞との語順は次のようになります。
[指示限定詞] + [数詞] or [数量の不定限定詞] + [名詞]
[例]
Estos tres cerditos construyeron tres casas.
これらの3匹の子ブタは3件の家を建てた。
「tres(数詞の3)」と「cerditos(子ブタcerditoの複数形)」の前に「estos」がきます。
最後に
いかがでしたか?
今回とりあげた指示限定詞ですが、似た形で指示代名詞というものがあります。
英語で
「This is ~」(これは~です)の「This = 代名詞」
「This book is ~」(この本は~)の「This = 指示限定詞」
という関係がありますね。
同じ関係がスペイン語にもあります。
詳しくは指示代名詞をとりあげたときに整理しますが、一つの違いは「アクセント記号があるか、ないか」です。
今回の指示限定詞の場合には、アクセント記号はつきません。
指示代名詞の場合には、アクセント記号がつきます。
[例]
Esta puerta es grande.
このドアは大きい(指示限定詞)
Ésta es la Torre de Tokio.
これは東京タワーです(指示代名詞)
形が似ているので、注意が必要です。
アクセント記号に注目してくださいね。
¡Hasta luego(またね)!
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