はじめに
スペイン語文法の2つ目の章は「限定詞」です。
今回は「不定限定詞」の1回目です。
不定限定詞は、対象の量が「不確定な場合」に使います。
正確な数を示す場合には「数詞」を使います。
繰り返しになりますが、「限定詞」は
– 名詞と組合せて使われる。
– 名詞を具体的に示す。
– 人と物のどちらにも使える。
という特徴がある単語です。
これらの限定詞について押さえておきたい内容を「基礎編」にまとめました。基礎編は下記の記事からなります。
→ 第2章:限定詞(基礎編)限定詞とは
→ 第2章:限定詞(基礎編)定冠詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定冠詞
・第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(1)(本記事)
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(2)
→ 第2章:限定詞(基礎編)所有限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)指示限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)基数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)序数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)配分限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)疑問限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)感嘆限定詞
本記事と併せて残りの記事も読むと、限定詞の内容が一通りカバーできます。ぜひ他の記事も読んでください。
不定限定詞の種類
不定限定詞には、下記の種類があります。
「algún/alguna/algunos/algunas」 何らかの、ある、いくるかの、少しの
「ningún/ninguna」 何の~もない
「mucho/mucha/muchos/muchas」 多量の、多数の
「otro/otra/otros/otras」 他の
「poco/poca/pocos/pocas」 少量の、少数の
「varios/varias」 数個の、数人の
「bastante/bastantes」 かなりの
「demasiado/demasiada/demasiados/demasiadas」 あまりに多くの
「tanto/tanta/tantos/tantas」 それほどの、それほど多くの
「todo/toda/todos/todas」 全ての、全体の
「más/menos」 より多くの、より少ない
「cualquier」 どんな~でも
「cierto/cierta/ciertos/ciertas」 ある、いくつかの
この記事では、前半の6つの不定限定詞を説明します。
不定限定詞の変化と意味
algún/alguna/algunos/algunas
単数形の「algún/alguna」は「何らかの」「ある」
複数形の「algunos/algunas」は「いくるかの」「少しの」
を意味します。
変化は以下の通りです。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | algún | alguna |
複数形 | algunos | algunas |
[例]
¿Por aquí hay algún café?
このあたりにカフェがありますか?
後ろにくる「café(カフェ)」が男性名詞の単数形なので「algún」が使われます。
ningún/ninguna
単数形の「ningún/ninguna」は「何の~もない」を意味します。
複数形が使われることはほとんどありません。
[例]
No conoces ninguna amiga mía.
君は私の女友だちをだれもしらない。
後ろにくる「amiga(女性の友人)」が女性名詞の単数形なので「ninguna」が使われます。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | ningún | ninguna |
複数形 | (使われない) |
mucho/mucha/muchos/muchas
単数形、複数形ともに「多くの」を意味します。
単数形は不加算名詞に使われて「多量の」
複数形は可算名詞に使われて「多数の」
を意味します。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | mucho | mucha |
複数形 | muchos | muchas |
[例]
Muchas gracias.
どうもありがとうございます。
後ろにくる「gracia(恩恵)」が女性名詞の複数形なので「muchas」が使われます。
また、他の限定詞などと同時に使うことができます。
例えば、「彼のたくさんの~」や「他に多くの~」とかの場合です。
語順は次のようになります。
[定冠詞や所有詞(私の等)] + [mucho(s)/mucha(s)] + 名詞
[例]
Sus muchos defectos son evidentes.
彼の多くの欠点は明らかです。
所有詞「sus(彼の)」は「mucho」の前にきます。
男性名詞の複数形なので「muchos」が使われています。
[mucho(s)/mucha(s)] + [otro(s)/otra(s)] + 名詞
[例]
Tiene muchas otras cualidades.
他に多くの特徴があります。
「otras」は「muchas」のあとにきます。
女性名詞の複数形なので「muchas」「otras」が使われています。
otro/otra/otros/otras
単数形、複数形ともに「他の」の意味になります。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | otro | otra |
複数形 | otros | otras |
[例]
Tengo otro hermano.
私には、もう1人の兄(もしくは弟)がいます。
後ろにくる「hermano(兄もしくは弟)」が男性名詞の単数形なので「otro」が使われます。
また、他の限定詞などと同時に使うことができます。
例えば、「他のたくさんの~」や「他の3人の~」などの場合です。
語順は次のようになります。
[定冠詞や指示詞(この等)] + [otro(s)/otra(s)] + [数詞や数量詞(たくさん等)] + 名詞
[例]
Dame otras dos copas.
私に、もう2杯ください。
数詞の「dos(2)」は「otra」の後にきます。
女性名詞の単数形なので「otra」が使われています。
poco/poca/pocos/pocas
単数形、複数形ともに「少ない」の意味になります。
単数形は不加算名詞に使われて「少量の」
複数形は可算名詞に使われて「少数の」
を意味します。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | poco | poca |
複数形 | pocos | pocas |
[例]
Tengo poco tiempo.
私には、時間がありません。
後ろにくる「tiempo(時間)」が不可算の男性名詞の単数形なので「poco」が使われます。
上の例文には「少し時間があります」というより「忙しくて時間がない」という否定的なニュアンスがあります。
「時間が少しあります」など、肯定的に表現する場合には下の形を使います。
[unos/unas] + [pocos/pocas] + [可算名詞]
[un/una] + [poco/poca] + [de] + [不可算名詞]
[例]
Tengo un poco de tiempo.
私には少し時間があります。
「un poco de」を使い、「忙しいが、少し時間がとれる」を表しています。
varios/varias
複数形の「varios/varias」は「数個の、数人の」を意味します。
単数形は使われません。
また、数えられる可算名詞のみに使用されます。
[例]
Tengo varios libros de este escritor.
私はこの作家の本を何冊か持っています。
後ろにくる「libro(本)」が可算の男性名詞なので「varios」が使われています。
この例のように「varios/varias」は数えられる可算名詞に使われます。
不可算名詞の場合は、
[un/una] + [poco/poca] + [de] + [不可算名詞]
が使われます。
[例]
Tengo un poco de tiempo.
私には少し時間があります。
「tiempo」が男性不可算名詞単数形なので「un poco de」を使い「忙しいが少し時間がとれる」を表します。
ちなみに、「unos pocos/unas pocas」と「varios/varias」はどちらも「いくつかの」という意味ですが、
「unos pocos/unas pocas」は「少数の = 数が少ないイメージ」
「varios/varias」は「いくつかの = 数が少し多めのイメージ」
「varios/varias」の方が「unos pocos/unas pcas」よりも、少し数が多いイメージです。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | (使われない) | |
複数形 | varios | varias |
最後に
いかがでしたか?
不定限定詞の数は多いですが、会話によく出てきますので、自然に覚えられるので、心配ありません。
是非使いこなして、会話の幅をひろげましょう。
¡Hasta luego(またね)!
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