はじめに
スペイン語文法の2つ目の章は「限定詞」です。
今回は「不定冠詞」です。
繰り返しになりますが、「限定詞」は
– 名詞と組合せて使われる。
– 名詞を具体的に示す。
– 人と物のどちらにも使える。
という特徴がある単語です。
これらの限定詞について押さえておきたい内容を「基礎編」にまとめました。
基礎編は下記の記事からなります。
→ 第2章:限定詞(基礎編)限定詞とは
→ 第2章:限定詞(基礎編)定冠詞
・第2章:限定詞(基礎編)不定冠詞(本記事)
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(1)
→ 第2章:限定詞(基礎編)不定限定詞(2)
→ 第2章:限定詞(基礎編)所有限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)指示限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)基数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)序数詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)配分限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)疑問限定詞
→ 第2章:限定詞(基礎編)感嘆限定詞
本記事と併せて残りの記事も読むと、限定詞の内容が一通りカバーできます。
ぜひ他の記事も読んでください。
不定冠詞の役割
不定冠詞は定冠詞と同様に、名詞の前に「かんむり」のようにおかれて、後ろの名詞の意味や範囲を限定します。
不定冠詞は、その名詞を特定しないで
単数形の「un/una」は「あるグループから不特定の1つ」
複数形の「unos/unas」は「2~3程度の少ない数量の不特定の」
という意味になります。
[例]
Un hijo de Ana es estudiante. アナの子供のひとりは学生です。
子供が何人かいて、どの子かは特定できないケースです。
このような場合は不定冠詞が使われます。
El hijo de Ana es estudiante. アナの子供は学生です。
前の会話で子供の話題がでていて、特定できるケースです。
このような場合は定冠詞が使われます。
不定冠詞の変化
不定冠詞は、後ろの名詞の性と数で、次のように変化します。
男性形 | 女性形 | |
---|---|---|
単数形 | un | una |
複数形 | unos | unas |
不定冠詞の位置
不定冠詞は、常に名詞の前にきます。
[例:動詞+不定冠詞+名詞]
He comprado un coche.
車を買いました。(cocheは 男性名詞)
不定冠詞の例外的な使われ方
定冠詞で、女性名詞に男性の定冠詞が使われるケースを紹介しましたが、不定冠詞でも同様のことがおこります。
今回もアクセントのある「ア」で始まる女性名詞の前で起こります。
女性名詞の「águila(鷹)」でみてみましょう。
規則では不定冠詞は「una」ですが、「una águila(ウナアギラ、太字にアクセント)」となり発音しにくいです。
そのため、男性の定冠詞「un」が使われて、「un águila(ウンアギラ)」になります。
「h」で始まるケースも同様です。
女性名詞の「hada(アダ。妖精)」は「una hada(ウナアダ)」ではなく「un hada(ウンアダ)」になります。
カードゲームのウノ
不定冠詞の単数形の「un/una」は、数字の「1」を表す「uno」に関係しています。
カードゲームの「ウノ」をご存じですか?
ゲームでは、カードが残り1枚となったときに「ウノ(残り1枚)」と宣言しますね。
カードはスペイン語で「カルタ(carta)」です。
女性名詞なので、不定冠詞は「ウナ(una)」ではないか?
ちょっと疑問ですよね。
ゲームを考案したのがアメリカの床屋さんだったので、スペイン語が分かっていなかったのかもしれません。
(数字の1としては「uno」なので、間違いではないです)
ちなみに、日本のカルタはポルトガル語の「carta(カード)」に由来します(スペイン語の「carta」と同じ単語)
スペイン語とポルトガル語は同じラテン語から派生していますので、重複している単語が8割ぐらいあるそうです。
うらやましいですね。
最後に
いかがでしたか?
前回の記事と合わせて、定冠詞と不定冠詞の基礎的な内容をまとめました。
日本語にない男性形と女性形の使い方もしっかりと覚えましょう。
¡Hasta luego(またね)!
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