第1章:名詞(基礎編)自然の性を持つ名詞

文法(スペイン語)

はじめに

なぜスペイン語の名詞に性があるのか?

スペイン語の名詞は、すべて男性か女性かのいずれかの性をもっています。
スペイン語などのラテン語から派生した言語の特徴ですが、名詞に性があることには歴史的な背景があります。

スペイン語は、大昔にインド・ヨーロッパ祖語から枝分かれした言語です。
インド・ヨーロッパ祖語では、生物の名詞は「男性・女性」に分類され、無生物の名詞が「中性」に分類されました。
この無生物の名詞が、のちに擬人的に考えられて「男性」と「女性」に分類されて「中性」がなくなり、名詞は「男性」と「女性」に分類されるようになりました。
これが現在のスペイン語の名詞の分類になっています。

自然の性を持つ名詞

人間や動物を表す名詞は自然の性をもっています。文法上の男性か女性かの分類は、その自然の性に従います。

自然の性を持つ名詞は、男性名詞と女性名詞を、主に次の3つのルールで区別します。

1.名詞の語尾が異なる
2.異なる名詞を使う
3.名詞は同じだが、冠詞で区別する

基礎編では、上記の1のルールについて説明します。(2と3は応用編で説明します)

1.名詞の語尾が異なるケース

(1)語尾の「o」を「a」に変えて、男性形女性形にする

「o」で終わる男性名詞は通常このケースになります。

下の例をみてください。色をつけたところが変化します。

hermano(兄または弟)→ hermana(姉または妹)
novio(彼氏)→ novia(彼女)

このパターンにあてはまるのは、他には、conejo(ウサギ)、palomo(鳩)、zorro(狐)、primo(いとこ)、vecino(近所の人)、tío(おじさん)などがあります。



(2)語尾の「e」を「a」に変えて、男性形を女性形にする

jefe(男性の上司)→ jefa(女性の上司)
cliente(男性の客)→ clienta(女性の客)



(3)子音で終わっている名詞の語尾に「a」を付け加えて、男性形を女性形にする
子音の終わりは「d」「l」「n」「r」「s」「z」があります。

español(スペイン人男性)→ española(スペイン人女性)
profesor(男性教師)→ profesora(女性教師)
león(オスのライオン)→ leona(メスのライオン)

最後に

いかがでしたか?

今の段階では、
「名詞には男性と女性がある」
「語尾がoの場合は男性、aの場合は女性」
の2つを頭に入れておいてください。


次回は、「自然の性を持たない名詞」のケースをみてみましょう。


¡Hasta luego(またね)!

参考文献

文法編をまとめるにあたり、次の書籍を参考にしています。
『スペイン語基礎文法 規則と用法(SGEL)』
『本気で学ぶスペイン語 基本問題430(菅原 昭江)』
『極める!スペイン語の接続法ドリル(菅原 昭江)』

文法(スペイン語)
Toru
この記事を書いた人

スペイン語の学習歴は20年以上。
スペイン語検定3級(英検準1級相当)を取得しています。
毎日スペイン語でニュースを聞きながら学びを続け、語学力向上のために日々努力しています。

これまでに45ヵ国を訪問し、国際的な経験を積んできました。
スペイン語と英語の通訳ボランティアを行い、現在はアルゼンチン人の同僚と共に働きながら、日本にいながらも日常的にスペイン語で会話しています。
このサイトを通して、自分が行っている勉強法や実践的なスペイン語の使い方を共有していきたいと考えています。

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