はじめに
この章では、「概算と四捨五入の英語表現」を見ていきます。今回の内容は、純粋な数学の場面だけでなく、科学やビジネス、日常生活でも使われるものばかリなので、必ず覚えるようにしましょう。
この初級の記事では、特に「概算」を中心に関連する単語や表現を解説していきます。「四捨五入」についての解説を読みたい方は、下のリンクから読んでみてください。
→ 概算と四捨五入の英語表現(中級)
(所要時間:5分)
単語・表現の一覧
単語・表現 | 意味 |
---|---|
approximate number, round number, rough number | 概数 |
exact value, precise value, accurate value | 正確な値 |
rough estimate, approximation, estimation | 概算 |
about, around, approximately, roughly, some, nearly, almost | 約、およそ |
approximately equal to, almost equal to | ニアリーイコール、≒ |
単語の解説
この記事で紹介する表現はたくさんある表現の中のいくつかであり、必ずこれと決まったものではないことを先に述べておきます。
概数について
まず概数とは、「くわしい数値にたいして、それに近いおおよその数」のことを指します。
これを英語では「approximate number」や「round number」、「rough number」などと言います。
これに対してくわしく正確な値のことを「exact value」、「precise value」もしくは「accurate value」などと呼びます。
「3,000,153 はだいたい 3,000,000」というような、おおよその“数”を表すときには「number」を使います。
その一方で、「今月の売り上げはだいたいどれくらいか?」というような、おおよその“数値”を表すときは「number」の代わりに「figure」もしくは「value」を使うといいでしょう。
概算について
また、概数を求める概算のことを「rough estimate」や「approximation」、「estimation」などと言います。
「estimate」と「approximate」、「estimation」は、ほとんど同じ意味の単語として使われますが、イメージに若干の違いがあります。
「estimate」と「estimation」の違い
名詞での「estimate」は、日本語で「推定、見積もり」という意味です。
それに対して、「estimation」のイメージは「推定する過程」を表します。
なので、「estimate」は「estimation」による結果であると言えます。
「estimate」と「approximation」の違い
「estimate」は「見積もり」という意味もある通り、日常的な場面や金融などで使用されます。
これに対して、「approximate」は数学的な場面などの専門的な文脈で使われます。
また、数学では「estimate」が統計学などの「だいたいの値を予想する」場面で使うのに対し、「approximation」は「求めたい値にできるだけ近づける」という「近似」の意味で使われます。
上の説明より、日本語の意味で「概算」というときには「rough estimate」が一番近い単語でしょう。
約・およそを意味する単語
ここでは、算数や数学などの場面で使われる「約」や「およそ」を意味する単語を紹介します。
1.「About」
もっとも一般的に「およそ」と言うときの単語です。
例えば、「about 45 meters(約45メートル)」や「at about 7:00(だいたい7時に)」と使えます。
2.「Around」
意味と使い方は「about」と同じです。
「about」に比べて、「その数値の前後」という意味が強いので、「about」よりも対象の範囲が広いです。
3.「Approximately」
「about」と「around」と使い方は同じですが、「より正確な」意味になります。
また、この単語は数学や科学などのより専門的な場面で使うので、日常の会話の中では使用されません。
4.「Roughly」
この単語も「約、およそ」という意味ですが、上の3つの単語に比べると「より大雑把な」数値の予想になります。
5.「Some」
「approximately」と意味合いは同じで、「about」や「around」よりも堅い表現です。
基本は「数量を表すときの表現」で、時刻を表すような「at some 7:00」などとはできません。
6.「Nearly」と「Almost」
どちらも日本語では「約」と訳されますが、「nearly (almost) 100 meters」と言えば、「もう少しで100メートル」といった意味になります。このことから、「~ある値を越えないがかなり近い値」を指していると考えられます。
似た意味合いの単語は多く存在しますが、「約~」と言いたいだけのときには、上の単語を覚えていれば十分です。
数学で使うだけの場面では、単語の微妙な意味の違いまで覚える必要はないと思います。
上の単語は次のような使い分けがされます:
話し言葉:「around」、「roughly」
書き言葉:「approximately」、「some」
話し言葉・書き言葉の両方: 「about」
概数の表し方
実際の値に対して概数を表す場合に、日本語では「≒」という記号を使って「ニアリーイコール」と呼びます。
しかし、この表現は日本や韓国などでのみ使われます。
英語では「≈」もしくは「≃」が使われることが多いです。
これらは「wavy equal sign」と呼ばれ、「approximately equal to」もしくは「almost equal to」と呼びます。
文章などで使うときには「= (equal to)」の場合と同じです。
「equal to」の使い方は次の記事で確認して下さい。
何を正しい記号として使うかは、国の基準やその他のルールによって異なります。
例えば、日本の論文の執筆などでも使われる「LaTeX」というシステムのルールでは、「≈」が数値の近似を表す記号だそうです。
練習問題
単語のまとめ
単語・表現 | 意味 |
---|---|
approximate number, round number, rough number | 概数 |
exact value, precise value, accurate value | 正確な値 |
rough estimate, approximation, estimation | 概算 |
about, around, approximately, roughly, some, nearly, almost | 約、およそ |
approximately equal to, almost equal to | ニアリーイコール、≒ |
最後に
いかがでしたか?
今回は概数に関する単語や概数の表現方法を簡単にまとめました。記事の内容はそこまで重くなかったと思います。それぞれの単語や表現の微妙な違いについて、1つでも多く覚えられるようにしましょう。
次の中級では「四捨五入」を中心に解説していきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント