はじめに
本記事では、初級に引きつづき「概算と四捨五入の英語表現」を解説していきます。
前回の初級の記事では概算を中心に見ていきましたが、この記事では「四捨五入」について解説をしていきます。この内容は、数学だけでなく、化学や物理でも重要な英語表現です。必ず覚えるようにしましょう。
この記事では第7章の「数の位と桁についての英語表現」の知識を必要とします。先にこの記事を読みたい方は以下のリンクから飛んでください。
→ 第7章:数の位と桁についての英語表現(初級・中級)
また、まだ初級の記事を読んでいない方や「概算」についての英語表現を知りたい方は、以下のリンクから初級に進んでください。
→ 概算と四捨五入の英語表現(初級)
(所要時間:5~10分)
単語・表現の一覧
単語・表現 | 意味 |
---|---|
rounding, rounding off | 端数処理 |
half round up, rounding half up | 四捨五入 |
round up | 繰り上げ |
round down | 繰り下げ |
A get rounded to B | A が四捨五入されてBになる |
round (off) to the nearest + 位 | ~の位(小数点第~位)で四捨五入する |
rounding digit | 四捨五入の基準となる位または桁 |
単語の解説
端数処理と四捨五入の違いについて
まず確認として、四捨五入とは「求める桁の一つ下の位が4以下であれば切り捨て、5以上であれば切り上げる」ような方法のことでした。
これは、概数の計算として最もよく知られた方法です。
しかし、概数を求める方法は他にもたくさんあり、それらすべてを合わせて「端数処理」もしくは「丸め」といいます。
英語では「端数処理」を「rounding」もしくは「rounding off」と言います。
また、「四捨五入」のことを「half round up」もしくは「rounding half up」と言います。
辞書や他のウェブサイトなどで調べると「四捨五入 = rounding」と書いてある場合がほとんどですが、これは正しいようで間違っています。
日本と同様で「rounding」と言えば「四捨五入」であると通じるので、わざわざ「half round up」と言う必要はありません。
しかし、「rounding(端数処理)」と「四捨五入」の違いについては理解しておきましょう。
四捨五入の関連表現
ここで、四捨五入の結果として、繰り上げをすることを「round up」、繰り下げをすることを「round down」と言います。
これらの単語は、四捨五入以外の端数処理の結果としても使うことができる表現です。
また、四捨五入した後の表現として「A get rounded to B」などを使う場合が多いです。
この表現の意味は「A が四捨五入されてBになる」という意味です。
その他の表現も含めて見てみましょう。
四捨五入する位について
四捨五入をするときには「何の位で」もしくは「小数点第何位で」四捨五入するかを決めなければいけません。
そのときに使う表現は「round (off) to the nearest + 位」です。
それでは、整数部分と小数点以下でのそれぞれの場合の表し方を見てみましょう。
1. 整数部分で四捨五入する場合
「第7章:数の位と桁についての英語表現」より、「the ones place」や「the tens place」が整数部分の位を表す表現でした。
これを省略して、「ones」は「一の位」、「tens」は「十の位」というようにすると、次の例文のように表現することができます。
*ここでは複数形の「tens」などを使っていますが、単数を使ったり、数字で「10」としたりすることもあります。
一の位を表す場合には「round (off) to the nearest ones」は、「round (off) to the nearest units」や「round (off) to the nearest integer (or whole number)」と言うのが一般的です。
一の位で四捨五入するということは「小数点以下をなくし、整数部分だけにすること」と同じだからです。
2. 小数点以下で四捨五入する場合
一つ目の方法は、整数部分の場合と同じで、「tenths」で「小数点第一位」、「hundredths」で「小数点第二位」を表す方法です。ただし、この場合は「tenths, hundredths」ではなく単数の「tenth, hundredth」にします。
二つ目は、同じく「数の位と桁についての英語表現」で紹介した「the + 序数 + decimal place」を代わりに使う方法です。
三つ目は、小数の桁を表す表現を利用して「one (two, three, etc) decimal place(s)」もしくは「one (two, three, etc) place(s) of decimals」を使う方法です。
二つ目と三つ目の表現を使うときは「the nearest」の部分が要りません。
その理由は「the nearest」が「最も近い」という意味だからです。
例えば、「Round 4321 off to the nearest hundreds」なら、「百の倍数で最も近いものに寄せる」と考えれば「4300」となります。
「to the second decimal place」と言えば「小数点第二位で」という意味になるので、「the nearest」は必要ないですよね。
最後に、四捨五入の基準となる位または桁の値のことを「rounding digit」と言います。
「Rounding (off) 5432 to the nearest tens」の場合は「3」が「rounding digit」となります。
小数点以下の四捨五入の方法の三つ目で、「位」ではなく「桁」を使った表し方を紹介しました。
では、整数部分の場合にも「桁」を使って表されるのでしょうか?
答えは「表せる」です。
しかし、その方法には中学校で習う「有効数字」という考え方が必要なので、それを紹介する記事で説明しようと思います。
いろいろな端数処理(おまけ)
最初にも述べたように、四捨五入は端数処理の方法の一つでしかありません。
ここでは、いくつかの端数処理の方法について紹介しようと思います。
Round half down
これは「五捨五超入」と呼ばれますが、「round half up(四捨五入)」と異なり、5を繰り下げます。
Rounding half to even/ Rounding half to odd
これは、「最も近い偶数(奇数)に丸める」方法です。
例えば、4.5が「Rounding half to even」なら「4」、「Rounding half to odd」なら「5」になります。
Taking the floor/ Taking the ceiling
直訳すると「床をとる」と「天井をとる」となります。
この方法は非常に単純で、どんな数でも丸める位で「taking the floor」なら「切り下げる」、「taking the ceiling」なら「切り上げる」方法です。
例えば、「Taking the ceiling of 456 to the nearest tens」なら「460」が「ceiling」と考えれば「460に切り上げ」ます。
少し内容が長くなりましたが、解説はここで終了です。
お疲れさまでした。
練習問題
単語のまとめ
単語・表現 | 意味 |
---|---|
rounding, rounding off | 端数処理 |
half round up, rounding half up | 四捨五入 |
round up | 繰り上げ |
round down | 繰り下げ |
A get rounded to B | A が四捨五入されてBになる |
round (off) to the nearest + 位 | ~の位(小数点第~位)で四捨五入する |
rounding digit | 四捨五入の基準となる位または桁 |
最後に
いかがでしたか?
今回は四捨五入についての英語表現を紹介しました。どのくらいで四捨五入するかを表す表現などは少し難しいところもあったと思います。まずは、それぞれの表現や単語を理解しましょう。
次の第9章では不等号についての英語表現を紹介します。今回も読んでいただきありがとうございました。
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