はじめに
今回は、分数に関わる英単語・表現を解説していきます。
第5章は、初級・中級・上級に分けて紹介していきます。今回の単語リストを確認し、より難易度の高い表現を知りたいと思った方は、以下のリンクから中級・上級に進んでください。
→ 分数の英語表現(中級)
→ 分数の英語表現(上級)
最後には練習問題もあるのでぜひ取り組んでみてください。
(所要時間:10~15分)
単語・表現の一覧
単語・表現 | 意味 |
---|---|
(common, simple, vulgar) fraction | 分数 |
denominator | 分母 |
numerator | 分子 |
分数の表現方法
- 「数 + 序数」(例:one-third)
- 「分子 over 分母」(例:one over three)
単語の解説
最初に知るべき単語
まず、分数は「fraction」と言います。
「fraction」は「破片・分割」などの意味もあり、語源はラテン語での「粉々に分解・破壊する」という意味の単語から来ています。
数学が好きな方なら「fractal(フラクタル)」という図形を知っているかもしれません。
これも、多角形や多面体を細かく分割したときの特徴に注目した図形ですね。
ただ、小数のことを「decimal fraction」と表すので分かりにくくなります。
そこで、分数と小数を区別するために、アメリカ英語では「common fraction」もしくは「simple fraction」、イギリス英語では「vulgar fraction」ということもあります。
分母と分子
英語で分母は「denominator」といい、分子は「numerator」と言います。
また、分数とは「割り算の一つの表し方」と言えます。
なので「第2章:倍数・約数・余りの英語表現(中級・上級)」より、割り算の場合の「denominator」と「numerator」は、それぞれ「dividend(被除数)」と「divisor(除数)」です。
下の図はこの関係性を表しています。
分数の表現方法①
一つ目は、「数+序数」の形で分数を表す方法です。
数の方には分子、序数の方には分母が入ります。
(*このときの序数は「第4章:数字についての基礎的な英語表現(中級)」で解説したものと同じです。)
日本語のように「A分のB」と表す場合と違い、分母と分子が逆になることに注意してください。
例えば、次のように表します:
ただし、分数の表し方にはいくつかのルールがあります。
ルール1.分子と分母の間に「- (hyphen)」を入れる
「hyphen」がないと分数として認識されずらい場合があるので、基本的には「hyphen」が使われます。
しかし、正確には必要な場合とどちらでもいい場合が分かれています。
これらの説明は、上級で紹介したいと思います。
ルール2.分子が1のとき「a」もしくは「one」を分子に使う
上の1つ目の例文では、「one-third」と書いていますが、「a third」としても意味は変わりません。
ただ、「a」を使う場合は、「a」と「third」の間に「- (hyphen)」を入れません。
ルール3.分子が2以上のとき分母の序数が複数形になる
上の2つ目の例文のように、分母の5が「fifths」と複数形になります。
ルール4.分母が2と4のときは特殊
たとえば、2分の1は「one-second」ではなく「one-half」もしくは「a half」となります。
そして、2分の3などの分子が2以上の場合は、「three-halves」と複数形の「halves」を使います。
また、分母が4のとき、「fourth」を使うこともできますが、「quarter」を使うことが多いです。
たとえば、4分の1は「one-quarter」もしくは「a quarter」、4分の3は「three-quarters」となります。
「2分の1」の意味で「one-second」を使うと「1秒」という意味だと勘違いされてしまいます。
しかし、「quarter」の場合は、「quarter」が慣習的に好まれているだけです。
代わりに「fourth」を使っても問題はなく、数式の説明などをするときには相手がより理解しやすくなると思います。
ルール5.分子と分母が大きくなっても使える
分母が「2000」などの大きな数になっても、2000分の49は「forty-nine two-thousandths」と表せます。
しかし、どちらかが21以上になるとややこしくなるので、分子と分母の間の「hyphen」は使いません。
ルール5では、大きな数になっても上の方法が使われると言いましたが、表すのが大変なのがわかると思います。
そこで、次の表現方法②を使うことが多くなります。
分数の表現方法②
二つ目は、「分子 over 分母」の形の表現方法です。
まずは例文を見てみましょう。
次に、この表現方法の特徴を紹介します。
特徴1.分子も分母もそのまま数を使う
上で紹介した表現方法①と異なり、分母も数を使います。
特徴2.視覚的にわかりやすい
この「A over B」という形は、「B の上に A がある」と表しています。
これは、上下で分子と分母を分けた分数の表記と対応しています。
特徴3.「分子」と「over」、「分母」の間に hyphen はいらない
特徴2で述べた通り、「A over B」自体で一つの表現になっているので、基本は hyphen を使いません。
しかし、文中で分かりにくくなる場合は hyphen を使うこともあります。
特徴4.分母と分子が数以外でも使える
表現方法①は序数を使わないといけないので、数以外を使うことができません。
しかし、②の場合は、中学で習う「x+2y」などの数式や文字などに対応しています。
「第1章:加減乗除の英語表現(初級)」でも述べましたが、「A over B」と「A divided by B」は同じ意味として使うことができます。
そのため分数を表すときにも、「A divided by B」を代わりに使うこともできます。
2つの表現方法の使い分け
これは私のこれまでの経験によるものですが、表現方法①と②は次のような使い分けができると思います:
表現方法①:日常会話で簡単な分数を使う場合
実際に使ってみると分かりますが、①は②に比べて明らかに言いづらいです。
そのため、①は小学校の授業や日常生活などの単純な場面では使えますが、高校の数学などで何度も言っていると頭がこんがらがってきます。
だからと言って、日常生活で「two over three」などと言うと急に数学っぽくなり違和感がでてしまいます。
また、新聞などで単に分数を表すとき、分子が小さく分母が10の倍数だと②の方を使う傾向があります。
なぜかというと、10の倍数の序数は「twentieth」や「hundredth」、「thousandth」、「millionth」のように一単語で表せ、文章を短く簡潔にできるからです。
「~ over two hundred」や「~ over three thousand」ということもできますが、序数で表すことが多いそうです。
表現方法②:数学の複雑な計算などで使う場合
高校や大学の授業などで先生が使用するのはほとんど②です。
その理由は、生徒にとって単純で聞き取りやすいということと、数以外でも使用できること(特徴4より)です。
そのため、数学の授業などでは、その延長で簡単な分数でも「over」を使うことも多いです。
たとえば、高校・大学で習う「確率」で「3分の1」を「one over three」と言うこともよくあります。
以上で解説は終了です。
練習問題も解いてみてください。
練習問題
現在練習問題を作成中です。しばらくお待ちください。
単語のまとめ
単語・表現 | 意味 |
---|---|
(common, simple, vulgar) fraction | 分数 |
denominator | 分母 |
numerator | 分子 |
分数の表現方法
- 「数 + 序数」(例:one-third)
- 「分子 over 分母」(例:one over three)
最後に
いかがだったでしょうか?
分数の表現は日常生活でも使う機会のあるような一般的なものです。しかし、日本語の感覚と少し異なるため慣れるまでは苦労するかもしれません。
次の中級では「通分・約分・逆数」について解説していきます。
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