第5章:分数の英語表現(中級)

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はじめに

単語・表現の一覧

単語・表現意味
reducing fractions約分
simplifying fractions 約分
reduce A to BA を B に約分する
simplify A to BA を B に約分する
reduce to its lowest terms既約分数にする
(分数に対して言うときの)terms分母と分子の両方を指す単語
reducing the fractions to a common denominator通分
common denominator共通分母
the least common denominator最小の共通分母
the lowest common denominator最小の共通分母
unlike fractions (もしくは fractions with different denominators)分母の異なる2つ以上の分数
reciprocal逆数
(multiplicative) inverse逆数

単語の解説

約分について

約分とは「分数の分母と分子を公約数で割ってより簡単な分数にすること」でした。

まず、約分は英語で「reducing fractions」もしくは「simplifying fractions」と表されます。
同じように、「A を B に約分する」は「reduce A to B」もしくは「simplify A to B」となります。

また、「第2章:倍数・約数・余りの英語表現(初級)」で紹介しましたが、公約数は「common divisor」もしくは「common factor」、その中で最大のものを指す最大公約数は「the greatest common divisor」と言いました。

第2章:倍数・約数・余りの英単語表現(中級・上級)」で言及した通り、約数という意味での「divisor」と因数という意味での「factor」は、どちらを使用しても同じ意味になります。
ただ、最大公約数と言うときには「divisor」の方を使うのが一般的です。

では、これらを使った例文を見てみましょう。

例文
  • We can reduce 2/4 to 1/2 by the common factor 2. (2/4 は公約数2で、1/2 に約分できる)
  • 7/21 is reduced to 1/3. (7/21 は 1/3 に約分される)
  • The greatest common divisor of the numerator and the denominator in the above case is 7. (上の場合の分子と分母の最大公約数は7である)

そして、最大公約数で約分された分数は「既約分数」と呼ばれますが、分数が既約分数であることを次のように表します:

例文

以下はすべて同じ意味の文章です

  • 1/5 is irreducible. (1/5 は約分できない)
  • 1/5 is reduced. (1/5 は約分されている)
  • 1/5 is in simplest terms. (1/5 は既約分数である)
  • 1/5 is in lowest (lower) terms. (1/5 は既約分数である)

既約分数を表す表現はいろいろありますが、既約分数にすることは「reduce to its lowest terms」という形でほぼ慣用句として使われています。
ここでの「its」は、約分する分数を指します。

例文
  • The fraction is already in its lowest terms. (分数は既約分数である)
  • Reduce 6/36 to its lowest terms. (6/36 を既約分数にしなさい)

上の表現で何度か「terms」という単語を使いましたが、これは「denominator」と「numerator」の両方を指して言う場合の表現です。「common factor of numerator and denominator」などというのが大変なので「common factor of these terms」とするとシンプルになります。

「term/ terms」は「第1章:加減乗除の英語表現(上級)」で紹介したように、単に「項」を表します。
なので、項が分母・分子を表していると分からない場面で、急に「common factor of these terms」と言っても「何の項?」となってしまうことに注意してください。

通分について

少し確認をすると、通分とは「分母の異なる二つ以上の分数を、それらの値を変えないで分母の等しい分数にすること」でした。

まず、通分することは、「reducing the fractions to a common denominator」と呼びます。
ここでいう「common denominator」とは、「共通分母」のことです。

また、「common denominator」の中で最小のものを「the least common denominator」もしくは「the lowest common denominator」と言います。
例えば、1/6 と 1/4 を通分したいとき、これらの共通分母は12の倍数です。
その中で最小の共通分母は、12となります。

第1章:倍数・約数・余りの英語表現(初級)」で習った、「least common multiple(最小公倍数)」との関連を見てみると、「least common denominator」とは、通分する分数の分母の「least common multiple」だということがわかると思います。

さらに、分母の異なる分数のことを「unlike fractions」と言います。
「unlike」には「同じでない、異なった」という意味があります。
もちろん、「fractions with different numerators」と言ってもかまいません。

例文
  • Find a common denominator of 1/7 and 3/16. (1/7 と 3/16 の共通分母を求めなさい)
  • Reduce 1/2 and 1/3 to the lowest common denominator. (1/2 と 1/3 を通分しなさい)
  • Add 1/2 and 1/3 by reducing the fractions to a common denominator. (通分することで 1/2 と 1/3 を足し合わせなさい)
  • Convert the pair of unlike fractions to that of like fractions. (分母の異なる分数の組を共通分母の組に変化しなさい)

*convert:変える、変換する

ここまでで、約分と通分の両方に「reduce(減らす)」という単語を使いました。
約分の方は、分母と分子の数を約数で割ることで小さくするので、「減らす」動作がわかります。

では、通分の方はどこで減らしているのでしょうか?
例えば、「1/63 と 1/36 を通分しなさい」と言われたら、直接最小の共通分母を探すこともできます。
しかし、一度二つの分数の和を求め、その後約分するのが最も古典的です。

この最後の約分が「reduce」を指しています。

逆数について

逆数とは「ある0でない数が与えられたときに、その数との積が1になる数」のことでした。
たとえば、2の逆数は 1/2 で、2/3 の逆数は 3/2 となります。
逆数は英語で「reciprocal」もしくは「(multiplicative) inverse」と言います。

中学・高校では「reciprocal」が一般的です。
しかし大学に入ると、逆数を含めたより広い意味で「multiplicative inverse」という単語をよく使うようになります。
なので、正確には「reciprocal = multiplicative inverse」ではありません。
ただ単に「逆数」と言いたい場合は「reciprocal」を使う方がいいでしょう。

例文
  • The reciprocal of 3 is one-third. (3の逆数は、1/3 である)
  • The product of a fraction and its reciprocal is 1. (ある分数とその逆数の積は1になる) 

3などの整数の逆数を考えるときに、分母に見えない1があると考えると分かりやすいと教わったことがあるかもしれません。英語圏では、この分母の1を「invisible denominator」と言われることがあります。「invisible」はそのまま「目に見えない」という意味です。

例:The number 3 is a whole number, so it has an invisible denominator of 1.

練習問題

現在練習問題を作成中です。しばらくお待ちください。

単語のまとめ

単語・表現意味
reducing fractions約分
simplifying fractions 約分
reduce A to BA を B に約分する
simplify A to BA を B に約分する
reduce to its lowest terms既約分数にする
(分数に対して言うときの)terms分母と分子の両方を指す単語
reducing the fractions to a common denominator通分
common denominator共通分母
the least common denominator最小の共通分母
the lowest common denominator最小の共通分母
unlike fractions (もしくは fractions with different denominators)分母の異なる2つ以上の分数
reciprocal逆数
(multiplicative) inverse逆数

最後に

いかがだったでしょうか?

今回の内容はかなり簡潔で特に初級から難しくなったわけではないと思います。ですが、細部まで読んで見落としがないか確認するとより深い理解が得られると思います。

次の上級では、さらに細かく分数の英語表現を見ていきます。

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