はじめに
この上級の記事では、「小数の種類の紹介」や「より詳しい小数の解説」などをしていきます。
この記事は、基本的な内容を扱った初級と中級の記事のプラスアルファとしての内容です。まだ、初級と中級を読んでいない方はそちらを先に読むことをおすすめします。
→ 小数の英語表現(初級)
→ 小数の英語表現(中級)
(所要時間:10~15分)
単語・表現の一覧
単語・表現 | 意味 |
---|---|
repeating decimals, recurring decimals | 循環小数 |
finite decimals, terminating decimals | 有限小数 |
infinite decimals, non-terminating decimals | 無限小数 |
pure decimals | 純小数 |
mixed decimals | 帯小数 |
nought | 小数で0を表すときの単語 |
base-10 numeral system, decanary | 十進法 |
単語の解説
小数の種類①(循環小数)
循環小数とは、「ある数字の列が繰り返しながら無限に続くような小数」です。
例えば、「1/9 = 0.111111…」や「3227/555 = 5.8144144144…」は循環小数です。
これを英語では「repeating decimal」もしくは「recurring decimal」と言います。
「repeat」は「繰り返す、反復する」、「recur」は「立ち戻る、繰り返し起こる」などの意味があります。
日本では「3227/555 = 5.8144」とするのが一般的ですが、このドットによる表現はアジア圏やイギリス、オーストラリアなどで使われています。
これに対してアメリカやカナダでは「棒線」を使って「3227/555 = 5.8144」と表されます。
他にも「5.8(144)」などとするケースもあります。
アメリカやカナダで使われる棒線は「vinculum」と呼ばれ、数学のいろいろな場面で使用されています。
この記号については以下の記事で紹介しています:
→ 現在作成中です。
循環小数の読み方は、例えば「5.8144」のとき、「five point eight repeating one four four」や「five point eight repeated one four four」、「five point eight recurring one four four」、「five point eight into infinity one four four」などとなります。
「循環小数」は中学3年の数学の範囲なので、詳しい数学の話は紹介しません。
次の「有限・無限小数」についても同じです。
小数の種類②(有限・無限小数)
有限小数とは、「小数点以下が有限個の位で終わるような小数」のことです。
それに対して、無限小数は「小数点以下が無限に続くような小数」のことです。
例えば、上で紹介した循環小数や円周率は無限小数です。
英語では、有限小数を「finite decimal」もしくは「terminating decimal」、無限小数を「infinite decimal」もしくは「non-terminating decimal」と言います。
「finite」は「限りのある、有限の」という意味です。
また、「terminate」は「終わる、終結する」という意味で、そこから「有限」となります。
さらに注意点として、「finite」と「infinite」は発音が異なります。
「finite decimal」の発音
「infinite decimal」の発音
小数の種類③(純小数・帯小数)
純小数は「1よりも小さい小数」のことで、帯小数は「1以上の小数」のことです。
英語では、純小数を「pure decimal」、帯小数を「mixed decimal」と呼びます。
分数での「真分数(proper fraction)」と「仮分数(improper fraction)」と考え方は似ているものの、使う単語が違うことに注意してください。
金額を表すときの小数
海外の多くの国では、通貨に小数点が使われますので、これまでの小数の内容の応用として紹介します。
英語で言う場合は、通貨の名称以外のルールは同じなので、今回は米国ドルを例に説明します。
基本のルール:
- 整数部分を読み、単位のドル(dollar)をつける
- 小数点は「and」と読む
- 小数部分はひと固まりで読み、単位のセント(cent)をつける
(*「dollar」と「cent」は、数が2以上のとき複数形の「s」が付きます)
しかし、より短く言う場合は「$18.35」を「eighteen thirty-five」というように、「dollars」と「and」、「cents」を省略して言います。
また、金額自体が大きくなると「中級で紹介した小数の読み方①」を使うこともあります。
例えば、「$1.23M」は「one point two three million dollars」と表現されます。
小数の場合の単位は複数形にするか
ビジネス系や科学系の学問では、小数点を扱うケースが非常に多いですが、このときによく疑問に思うのが「単位を複数形にするか」ということではないでしょうか。
例えば、上の金額の場合も「$0.3」なら「zero point three dollars」と「zero point three dollar」のどちらでしょうか?
(*もちろん上で紹介したように「thirty cents」と言っても問題ありません)
英語では、「1のとき単位は単数形、それ以外のすべてで単位は複数形」というルールがあります。
このルールは、小数や分数、正の数、負の数などのすべてに適応されます。
ゼロや負の数でも複数形にするというのは面白いですよね。
注意点1.「hyphen」を使い名詞の前の形容詞とするときは単数形
例えば、「This bill was 0.8 dollars」という文章は「This is a 0.8-dollar bill」に変えられます。
このときの「0.8-dollar」は「bill」に付く一単語の形容詞として使われているので、単数形を使います。
注意点2.単位が記号として表されるときは複数形の「s」はいらない
当たり前のことですが、「6.5 kilograms」は「6.5 kg」で「6.5 kgs」にはなりません。
小数の場合に限らず、言語によって単数形と複数形のルールは異なり、英語の中でも解釈はいろいろあります。
(例)単位以外の単数形・複数形についての面白いケース:
「There are no books on the table」と「There is no book on the table」はどちらも文法的に正しいです。
正確に言うと、一つ目の方が一般的で、二つ目は「いつもあるはずの本がない」という風なイメージなので意味合いは異なります。
しかし、単数と複数のどちらを使うこともできる例外だと言えます。
Nought の使い方
中級で紹介したように、小数で0を表す場合には「zero」や「oh」が使われることが多いです。
しかし、イギリスでは「nought」という単語が同じくらい使われます。
(*アメリカ英語でのスペルは「naught」です)
イギリス英語での「nought」は、「zero」もしくは「nothing」という意味で使われることが多い単語です。
小数の例として、「0.4」は「nought point four」と読まれます。
整数部分での0に使われることが多く、小数部分は「zero」もしくは「oh」を使うのが一般的ですが、「13.004」などを「thirteen point nought nought four」と表現することもできます。
進数について
初級の記事では、十進法を「decimal numeral system」と紹介しました。
同じ意味で「base-10 numeral system」や「decanary」と呼ばれることもあります。
現代では、その他にも二進法や十六進法などたくさんの数字の表記が使われています。
それらの英語表現については、次の記事で紹介しています:
→ 現在作成中です。
単語のまとめ
単語・表現 | 意味 |
---|---|
repeating decimals, recurring decimals | 循環小数 |
finite decimals, terminating decimals | 有限小数 |
infinite decimals, non-terminating decimals | 無限小数 |
pure decimals | 純小数 |
mixed decimals | 帯小数 |
nought | 小数で0を表すときの単語 |
base-10 numeral system, decanary | 十進法 |
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
初級と中級の内容で紹介できなかったものをなるべく簡潔にまとめました。特に、金額の表し方などは日常生活にも役立つので、覚えておくことをおすすめします。
第6章はこれで以上です。次の第7章の記事では「数の位と桁についての英語表現」を紹介します。
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