はじめに
スペイン語文法の1つ目の項目は「名詞」です。
名詞について必ず押さえておきたい内容を「基礎編」にまとめました。基礎編は全部で3つの記事からなります。
・第1章:名詞(基礎編)自然の性を持つ名詞(本記事)
→ 第1章:名詞(基礎編)自然の性を持たない名詞
→ 第1章:名詞(基礎編)固有名詞
本記事と併せて残りの2つの記事も読むと、名詞についての一通りの内容がカバーできます。ぜひ他の記事も読んでください。
なぜスペイン語の名詞に性があるのか?
スペイン語の名詞はすべて男性か女性かのいずれかの性をもっています。スペイン語をはじめとするラテン語から枝分かれした言語でみられる特徴ですが、不規則なケースもあるのが少々厄介です。
スペイン語の名詞に性があることには、歴史的な背景があります。
スペイン語は、大昔にインド・ヨーロッパ祖語から枝分かれした言語です。インド・ヨーロッパ祖語では名詞が「男性・女性・中性」に分類されていて、生物は「男性・女性」、無生物は「中性」に分類されていたと考えられています。この無生物で中性の名詞が、のちに文明の発展にともなって、擬人的に考えられて男性と女性に分類されました。
ちなみに、英語では名詞の性別はありませんね。スペイン語でも中性は使われなくなっていますが、残念ながら男性形と女性形は残りました。
自然の性を持つ名詞
人間や動物を表す名詞は自然の性をもっています。自然の性を持つ名詞は、男性と女性をいくつかのルールで区別します。ルールには次の3つがあります。
1.名詞の語尾が異なる
2.異なる名詞を使う
3.名詞は同じだが、冠詞で区別する
今回は上記の1について確認しましょう。(2と3は応用編で説明します)
1.名詞の語尾が異なるケース
(1)語尾の「o」を「a」に変えて、女性形にする
「o」で終わる男性名詞は通常このケースになります。下の例をみてください。色をつけたところが変化します。
hermano(兄または弟)→ hermana(姉または妹)
novio(彼氏)→ novia(彼女)
このパターンにあてはまるのは、他には、conejo(ウサギ)、palomo(鳩)、zorro(狐)、primo(いとこ)、vecino(近所の人)、tío(おじさん)などがあります。
(2)語尾の「e」を「a」に変えて、女性形にするケースがあります。
jefe(男性の上司)→ jefa(女性の上司)
cliente(男性の客)→ clienta(女性の客)
(3)子音で終わっているものは、一般には「a」を付け加えることにより女性形になります。
子音の終わりは「d」「l」「n」「r」「s」「z」があります。
español(スペイン人男性)→ española(スペイン人女性)
profesor(男性教師)→ profesora(女性教師)
león(オスのライオン)→ leona(メスのライオン)
最後に
いかがでしたか?
今の段階では、「名詞には男性と女性がある」「語尾がoの場合は男性、aの場合は女性」の2つを頭に入れておいてください。次回は、「自然の性を持たない名詞」のケースをみてみましょう。
¡Hasta luego(またね)!
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